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一般社団法人 島田青年会議所

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​【人間架橋から島田大橋へ】

「越すに越されぬ大井川」大井川に橋はなく、人足で渡っていた時代から使われてきた言葉です。大井川に架かる橋の中で、谷口橋といえば現在でもラジオの渋滞情報に度々登場する渋滞スポットですが、1985年、約30年前の当時は橋の数も少なく、県内でも指折りの渋滞スポットでした。「大井川に新しい橋が欲しい」という地域住民の願いを届けるべく、立ち上がったのが島田青年会議所でした。

島田青年会議所20周年事業で何をやるか

 

新谷口橋(現島田大橋)の建設要望は、当時最も大きな社会的ニーズで、10年ほど前から地域住民からありました。谷口橋は朝夕のラッシュ時には必ず渋滞し、橋を渡りきるのに40分程要していました。行政もこの現状を把握していましたが、建設費の予算がつかず、時期的な目途を立てられない状況にありました。

このような時代背景の中、島田青年会議所は設立20周年を迎えることになります。当時の活動内容として社会開発事業が盛んだったこともあり、地域のインフラを充実させるためにまず青年会議所が問いかけをしようと当時の理事長 櫻井憲三郎氏のもと発案され、大井川の両岸をハンド・イン・ハンドでつなげてアピールしようという企画が構想され、この企画が「人間架橋」と名付けられたのです。

実現に至るまでの障壁

 

両岸約1キロメートルという距離を人が手をつないで並ぶ、インパクトの大きい企画だけに障壁も大きなものでした。まず、当時の建設省(現国土交通省)の許可が下りませんでした。容易に許可を出して行ったところで人が流される可能性が高いからです。また、ダムの放水を通常の半分にしてほしいという許可も下りませんでした。通常の放水では深い所では水深1メートルに達するため、放水量を減らさなければ実現は不可能でした。これらの障壁を乗り越えて実現させるために、あらゆる安全策を講じ、何度も行政に足を運んでお願いをしに行きました。

当日行う上でも、人を集めなければならないという課題がありました。現在のようにインターネットやSNSといったツールはなく、短期間に広範囲に情報を伝えることは難しい時代でした。そこでスポーツ少年団の子供たちに協力してもらい、水深の深い所には青年会議所メンバー、水の流れている所は大人、水のない砂利には子供たちに並んでもらうよう工夫がなされました。

【当時掲載された新聞広告】

「架けよう新谷口橋」

 

ただ単に人間架橋をしただけでは人は集まらないということで、ふれあい広場と題したイベント会場も設営しました。島田出身のタレントである岸本加世子様を呼んでトークショーを開催したり、ウルトラクイズや鱒のつかみどりといった景品がもらえるイベントを開催したりすることで一万人を超える多くの方が集まりました。そして、「架けよう新谷口橋」の合言葉のもと人間架橋が行われ、両岸から繋がれた人の手は順調に伸び、ついに一本の橋となりました。この模様はテレビの生中継で報じられ、翌日の新聞でも大きく報じられました。

【当時掲載された新聞広告】

島田大橋の現在

 

人間架橋が行われた9年後の1994年に新谷口橋は完成し、名称も島田大橋と名付けられました。谷口橋の渋滞は緩和され、今では島田駅から静岡空港へのアクセスとして重要な道路としての役割も果たしている橋となっています。また2013年には河口方面に「はばたき橋」も開通し大井川の右岸と左岸をつなぐ交通の便はさらに良くなりました。

この島田大橋を渡るときがありましたら、ぜひ人間架橋を想像していただき、ここにこの距離をつなぐ人の橋があったことを思い浮かべてみてください。

あとがき

 

まず、この記事を作成するに当たりまして、ご指導いただきました島田青年会議所シニアクラブ 会長 鈴木國近様、誠にありがとうございました。人間架橋の事業のみならず青年会議所活動や地域観光にまで及んだ話を聞かせていただき、大変有意義な時間を過ごさせていただきました。

人間架橋という素晴らしい事業を行った結果、当時80数名だったメンバー数が3年後には100名を超えるまで増加しました。それはこの事業の良さが団体の魅力につながった表れで、自分たち現役世代がどのような視点でどのような事業を行うことが最適か、その大事さを改めて感じさせられる数字です。今後も島田青年会議所は地域のためにすべきことを選択し、行動に移していきますのでご期待ください。

                                             

                                             記事 山本雄志